喫茶 · ギャラリー
CRO ( く ろ )
プロセス―1 (配置の検討)
建物を道路側に配置するか、敷地中央に配置するか、敷地奥側に配置するか検討しました。
建物道路側配置案
建物を道路側に配置すると、道路を行き交う人たちへの訴求力が強くなる
駐車台数とオープンスペースが少ないのが欠点
建物中央配置案
建物を敷地の中央に配置すると、まとまったオープンスペースが確保でる
駐車台数が少ないのが欠点
建物奥側配置案
建物を敷地の奥側に配置すると、バランス良く駐車台数とオープンスペースが確保でる
道路側から引込んでいるのが欠点
移動手段が自動車という地域性を重視し、建物奥側配置案が選択されました。
検討の中で、樹木が生い茂るオープンスペースの重要さが認識されました。
「雑木林のなかの喫茶店」が配置上のコンセプトです。
プロセス―2 (外観の検討)
建物外観イメージを検討しました。
寄せ棟二層案
寄せ棟屋根を重ねた案
重厚なイメージ
切り妻曲り家案
切り妻屋根をL字形に曲げた案
軽快なイメージ
切り妻重ね案
切り妻屋根を重ねた案
シンプルでダイナミックなイメージ
シンプル・ダイナミックのキーワードが支持され、切り妻屋根を重ねた外観が選択されました。
切り妻屋根を重ねた形は、敷地北側に広がる山並みをイメージした案です。
この地にふさわしい外観と確信しています。
プロセス―3 (架構の検討)
開放的な室内空間を創出するための架構方式を検討しました。
和小屋案
和小屋組みは住宅などで一般的な架構
施工しやすいが、水平の梁や小屋束などによる圧迫感がある
登り梁案
軒の桁から棟の梁に斜めの梁(登り梁)を掛ける登り梁架構は、シンプルでダイナミック
仕口が大工の手刻みなのと木材使用量が多くなるのでハイコストな架構
母屋梁案
母屋を梁とする母屋梁架構は、開放感のある空間を合理的に創りやすい
ダイナミックさは登り梁による架構なのですが、コストパフォーマンスに優れる母屋梁による架構としました。
プロセス―4 (内観の検討)
建物内部の配色を検討しました。
モダン・ナチュラル案
柱や梁などの構造材を生地の色で仕上げる案
内壁の一面にポイントとして抹茶色を配色
モダンでナチュラルなイメージ
クラシック・ダイナミック案
柱や梁などの構造材を古色で仕上げる案
内壁の一面にポイントとして弁柄色を配色
クラシックでダイナミックなイメージ
多くの人に受け入れやすいであろうモダン・ナチュラル案が選択されました。
プロセス―5 (最終案)
道路から順に駐車場・雑木林・お店の配置です。
駐車場からお店へのアクセスに露地をしつらえ、アプローチを演出しました。
樹木は常緑樹・落葉樹・果実のなる樹を織り交ぜ、小鳥がさえずる雑木林になるよう意図しています。
樹木に覆われたお店は見えにくくなるのですが、敷地全体の環境をアピールしたいと考えました。
外壁と屋根は樹木とのコントラストが美しい白を選択しました。
お店の名前は「くろ」ですが、お店は「しろ」です。
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